2008年 09月 13日
宴の後は・・・夏の終わり
お前の心はけざやかな景色のようだ、そこに
見なれぬ仮面して仮装舞踏のかえるさを、
歌いさざめいて人ら行くが
彼らの心とてさして陽気ではないらしい。
誇らしい恋の歌、思いのままの世のなかを、
鼻歌にうたってはいるが、
どうやら彼らとて自分たちを幸福と思ってはいないらしい
おりしも彼らの歌声は月の光に溶け、消える、
枝の小鳥をゆめへといざない、
大理石の水盤に姿よく立ち上がる
噴水の滴の露を歓びの極みに悶え泣きさせる
かなしくも身にしみる月の光に溶け、消える。
ポール・ヴェルレーヌ月の光ー翻訳堀口大學